2009年09月13日

派遣切りは日本企業の競争力を高めるか

昨夜の続きで、平日ならしっかりとチェックしているものの、これまた土日になど見ることもほとんど無かったプレジデント ロイターから、「現在、100年に一度といわれる世界的な不況が日本を襲っている。今こそ、ドラッカーの言に耳を傾けるべきだ。日本人の多くが勇気づけられることだろう」という、ドラッカー学会代表 上田惇生氏の記事を取り上げる。
http://president.jp.reuters.com/article/2009/09/12/B4B7DD5E-88BC-11DE-99B7-06193F99CD51.php

多くの企業経営者に聞かせたい言葉だ。


派遣労働者を大量に切らざるをえないというのは、その産業が低い賃金コストでないと成立しない状態だったということである。成長しているつもりが実は単に肥大化しただけであり、人を大切にするという日本的な良さを忘れてしまったことにほかならない。派遣労働者を寮から追い出さなければ、いますぐに会社がつぶれてしまうほどなのか、内部留保も本当にないのか。これを機会に人減らしをしてしまおうという計算は働いては自らに問う必要があるだろう。

ドラッカーは企業は何のためにあるのか、と常に問いかけてきたが、不況期こそ、真の企業のありようが問われる。彼は「企業たるもの、社会の安定と存続に寄与しなければならない」と論じている。

言い換えれば、企業とは人々に生計の手段や社会とのきずな、そして自己実現の場を与える存在である。米国のビジネス誌に寄せた最後のメッセージでも「経営者たる者、社会の公器としての会社を考えよ」と呼びかけた。企業と企業人が尊敬される世の中であってほしい、というのが彼の希望だった。

「組織はすべて、人と社会をよりよいものにするために存在する」と『経営者に贈る5つの質問』の中で述べているが、この言葉こそがドラッカーの経営思想の神髄といっていい。

だからこそ企業は、正規従業員ばかりでなく、パートも派遣労働者も、一人一人の面倒を見ていかなければならない。すでに、非正規社員を正規社員として採用した会社も出てきている。当分はこうやってこの危機をしのいでいくことだ。良いときはさらに良くなると思い、悪いときはさらに悪くなると思いがちだが、いずれも必ず終わる日が来るというのは自明のことなのだから。

不況を克服する日は、新しい時代が来る日でも、新しい旅が始まる日でもない。単に馬を乗り換える日にすぎず、その意味で歴史はつながっている。

いま社会的に手をつけたことは、景気が回復した後も継続する。

重要なのは、人であり社会なのだから、社会を分断、破壊してはならないのだ。

日本は、製造業雇用が全就業者人口の4分の1という先進国では最高の水準にある。これまで労働力市場や労働の流動性も無いに等しかった。そういう中で、短期の効率化を目指して派遣労働を取り入れた結果が今日の「派遣切り」では、日本贔屓のドラッカーも嘆くに違いない。

古き良き日本型組織と経営が、急速に崩れつつある。今こそ日本社会の良さを再確認する好機というべきである。

ドラッカーならば、ピンチをチャンスにと言うだろう。


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2009年09月09日

今日のニュース拾い読み

http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090909AT3S0802U08092009.html


常用雇用、過剰感続く 厚労省7〜9月調査、2けたマイナス 

 厚生労働省は8日、2009年7〜9月期の労働経済動向調査をまとめた。正社員など常用労働者が「不足」と答えた企業の割合から「過剰」の割合を引いた
過不足判断指数(DI)は全産業でマイナス14となった。前回調査時(同年4〜6月期)より1ポイント改善したが、3四半期連続で2けたのマイナス幅を記録しており過剰感は依然強い。(07:01)

 

http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090909AT3S0902509092009.html

福島・亀井氏の入閣内定 民社国、連立で合意文書 

 民主党の鳩山由紀夫代表と社民党の福島瑞穂党首、国民新党の亀井静香代表は9日夕、国会内で党首会談を開き、連立政権の樹立で合意した。外交・安全保障

政策では社民党の意向を反映して、日米地位協定の「改定の提起」に加え、米軍再編に関しても「見直しの方向で臨む」と合意文書に盛り込んだ。鳩山氏は福
島、亀井両氏に両党の党首級の入閣を要請し、両氏の入閣が内定した。鳩山氏は週内にも閣僚人事を固め、政権移行の準備を加速する。


 会談終了後、3氏は共同で記者会見した。鳩山氏は「新たな政権のスタートラインに立つことができた」と表明。福島氏は「連立政権の一翼をきちっと担
う」、亀井氏は「鳩山氏の下で歴史的な責任を果たしていきたい」と語った。亀井氏はその後、鳩山氏に電話し、自らが入閣する考えを伝えた。(22:52)

 

 この合意文書の英語版が見たいものだ。なぜなら、鳩山氏は近いうちに米国大統領と会談するが、その際、英語で合意の内容を伝えるはずだ。そのとき、どう言うのだろうか。
日米地位協定の「改定の提起」は、米国大統領に対して、どのように伝えられるのだろうか。
米軍再編に関しても「見直しの方向で臨む」とは、英語でどのように伝えられるのだろうか。
 
よもや、「国民の意図が伝わらない言い回し」では、ないよねえ。。。国内のニュースでは高揚感を醸成しようと躍起のようだが、冷静に見ておかないととんでもないことになりかねない。

 
 
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-11421420090909?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0

日本経済に二番底の懸念、早急に景気対策を=榊原早大教授

[東京 9日 ロイター] 榊原英資早大教授(元財務官)は9日、日本記者クラブで講演し、日本経済は年末から来年初にかけて二番底を打つ可能性があると述べ、9月中旬に発足する鳩山由紀夫政権は新規国債の発行を財源に、景気対策を早急に打つべきと提言した。

 国債増発に伴う金利上昇懸念に対しては、日本は世界最大の債権国であり、10─15兆円の国債発行は市場で吸収可能と述べ、影響は限定的と語った。

 世界的な金融・経済危機の広がりを背景に、ドルの信認に懸念を示す声も出ているが、少なくとも今後20年はドル基軸通貨体制は変わらないとの見解を述べた。

 <景気対策財源は国債発行で賄うべき、長期金利は2%超えない>

 榊原氏は冒頭、自身を民主党のサポーターの1人と述べる一方、民主党のマニフェスト(政権公約)について「マクロ政策に対する記述がほとんどない」ことに苦言を呈した。

 その上で、日本経済は「微妙な段階にある。このままいけば年末から来年初にかけて、二番底を打つ可能性がある」と懸念を示し、鳩山政権に対して「そう遠くない時期、この1カ月間くらいに景気対策を打つべきだ」と提言した。具体的には、現政権が実施したエコ・ポイントやエコ減税などの継続、民主党が掲げる「子ども手当」や高速道路料金の無料化、ガソリン税などの暫定税率廃止を景気対策として実施すべきと主張。

 こうした対策の財源については「予算の執行を止めれば経済が無茶苦茶になる。不況の時は国債を新規発行しなければ景気対策にならない。当面は財源問題に配慮せず、新規施策を打つことが大事だ」と国債発行で賄うべきとし、民主党が表明している予算の執行停止や組み替えによる財源確保は「中長期的に財政規律が大切なのは間違いない。4年間かけて、じっくり無駄な歳出を削ればいい」との考えを示した。

 国債増発に伴う長期金利の上昇が懸念されるが、榊原氏は日本の個人金融資産が1400兆円程度にのぼることなどを挙げ、「日本は世界最大の債権国。日本の財政状況が危機的とは思っていない」とし、「現在の国債市場は、10─15兆円の国債発行を十分に吸収できる。金利が若干上がっても、(現在1.3%台の長期金利が)2%を上回ることはない」と語った。
<今後20年はドル基軸に変化ない、米国と対等な関係を>

 また、榊原氏は世界の現状を「20世紀型、米国資本主義の崩壊」と表現、「モノを中心とした経済の崩壊だ」と語った。

 米国が昨秋の「リーマン・ショック」の震源地となり、世界的に金融・経済危機が広がる中で米ドルの信認に懸念を示す声も聞かれるが、榊原氏は「相対的に弱くはなっているが、米国が世界のリーダーであることは10─20年は変わらない。ドルが基軸通貨であることは、少なくとも今後20年は変わらない」と指摘。

 今後の日米関係について「米国は力を持ち、速く変化を実現できる国であり、連携していかなければならない」としながら、「米国と日本が対等な関係であることをはっきり認識すべき。対等な関係で議論することは当然だ」と語った。

 アジア共通通貨構想に対しては「長期的な課題として考えていい。ただ、(実現は)20─30年先の話だ」と指摘。「中国が為替介入を撤廃するのも10年はかかる」との見方を示した。

 <新政権への参画、「オファーあれば考えたい」>

 さらに、榊原氏は、政治主導をめざす鳩山新政権に対し、「官僚をうまく使っていくことが重要」とし、具体策として1)事務次官や局長などの人事サイクルを首相任期と同一にする、2)省庁設置法を廃止する、3)改革派の閣僚と連携する−−ことなどをアドバイスした。

 新政権が設置する首相直属の「国家戦略局」に参加を要請された場合の対応を問われ、「何らかのかたちで新しい改革をサポートできるオファーがあれば考えたい」と語った。

 (ロイターニュース 伊藤 純夫)



 最近、海外でも国内でもあちこちでいろんな人から言われている「景気の二番底」。おそらくあるだろう。

 
posted by flyhigh28 at 23:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 雇用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月26日

今日のBSフジ「PRIME NEWS」

出演は、小宮山宏・三菱総研理事長、湯浅誠・派遣村村長、水野和夫・三菱UFJ証券チーフエコノミスト。
「新しい国のカタチ」を考える上で示唆に富む発言が多かったが、残念ながらビデオその他記録していなかったため、正確に3氏の意見について、私なりの意見が書けない。

なお、湯浅誠さんの発言に絡んで考えていこうと思っていた以前のエントリにも関係してくる内容だっただけに、記録していなかったことが悔やまれる。

追記)
なぜ、最低賃金を1000円にすることが必要か、またそれは可能なのか、ということについて、小宮山氏が示唆している。これだけでも記録があれば。。。と、思う。

posted by flyhigh28 at 21:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 雇用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月10日

「9〜10月に予測される失業者の激増」の解決策は?

再び、NB ONLINE 野口悠紀雄の「未曾有の経済危機を読む」について考える。今回は、第31回「9〜10月に予測される失業者の激増 その対策こそ次期政権の最重要課題だ」(8.8)だ。

 政治家は、選挙のことで頭がいっぱいで、「政策など考える余裕がない」というのが実情なのだろう。しかし、雇用をめぐる現実の情勢は、きわめて緊急な対策を必要としているのだ。

 これから起こりうるのは、日本社会がこれまで経験したことのない高失業社会である。ホームレスが増大し、社会不安が高まることは容易に予想されるが、それ以上に何が起きるかは、予測できない。また、経験したことがないだけに、それに対応する方法を、われわれは完全には知らない。

 しかし、そうだからといって、一刻も放置できない深刻な問題であることは言うまでもない。本来は有意義な活動を行なうことができる労働力が使われないままになるのは、日本社会全体から見ても、大きな損失である。また、家計の所得が回復しなければ消費は回復せず、したがって、経済活動が本格的に回復することもないだろう。

 まず明確にすべきは、対応の基本的方向だ。すなわち、緊急避難を続けるのか、それとも積極的な雇用創出を図るかの判断である。
(アンダーライン:ブログ主)
「まず明確にすべきは、対応の基本的方向だ」と言いながら、問題の扇の要である「正規労働者の賃金を低く抑え、さらには非正規労働者を増やすことで賃金総額を抑え、また下請け単価も極端に切り詰めて、そうしてバブル期をも凌ぐボロ儲けを果たした大企業の責任」については、一言も触れない。

「本来は有意義な活動を行なうことができる労働力が使われないままになるのは、日本社会全体から見ても、大きな損失」だと本気で思うのなら、高失業社会の到来を当然視するのではなく、このようなボロ儲けを平然と行ってきた大企業に、「雇用を守れ」「首切りを行うな」と厳しくモノを言うことを政治家に求めるべきだ。ヨーロッパでは当たり前のこんなことが、日本でできないはずがない。

この点を指摘せず、論点をそらして、雇用調整を前提とした「積極的な雇用創出」を言うのは、一見まっとうな議論のようでいて、実は甚だ無責任な話しである。

政治家にモノを言うのは、共産党の政策を、まず、きちんと読んでからにすべきだ。

前回、彼はこう言っている。

「派遣の禁止や最低賃金の引き上げは、一見して労働者に有利な政策に見える。しかし、それは、すでに採用されており解雇されるおそれがない労働者の立場から
見たものである。実際にこうした政策が導入されれば、企業は雇用を減らすことになるだろう。こうした考えは、雇用に関する経済的メカニズムを無視したもの
であり、実質的には労働者にとって不利な政策なのである。民主党には、是非、雇用に関する経済的なメカニズムを理解してもらいたい。」
「雇用に関する経済的メカニズム」などは、徹底的に中小企業をいじめ抜き、派遣であれ正規であれ徹底的に給与を押さえ込んで、バブル期をも凌ぐほどのボロ儲けをしている大企業を、無批判に許容・容認しているから言える言葉である。

こういうメカニズムを止めさせることこそが、まさに政治の仕事ではないのか。

posted by flyhigh28 at 22:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 雇用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月28日

今日の野々村人事部長に座布団1枚!

いつも愛読しているNBONLINEの「野々村人事部長の歳時記」。今日は、『リストラをしても、会社は成長も収益性向上も期待できない』だった。

きょうのは、「そうだ!」と唸り声を上げたくなる内容だ。
記事はこちら。http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20090724/200886/?bvr
posted by flyhigh28 at 20:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 雇用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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