2010年06月15日

日本の法人実行税率は本当に高いか?

 「財源をどうするのか」という問題で、「法人税減税と消費税増税」が財界からだけでなく、ついには菅内閣からも言われ始めたが、国民の中からも消費税増税はやむを得ないという声が次第に大きくなってきているようだ。

 しかし、法人税を下げること、そして財源確保のために消費税増税は、ほんとうにやむを得ないのだろうか。法人税については、「国際競争力を高めるため」とか「企業を下支えするため」など、さまざまな理由が語られている。

 税経新人会の次の3つの論文は、私が理解するのに有益であった。以下にいくつか抜書きしておきたい。

 結論として、消費税増税は、名称が「社会保障目的税」であろうと、決して社会保障目的などではなく、大企業の減税が目的だということが、実によく理解できた。

経団連成長戦略2010批判 - 消費税増税・法人税減税を求める異常 -
法人実効税率のごまかしと法人所得課税 政府税調答申、経団連提言を斬る
民主党政権の消費税をめぐる三つの欺瞞点

いくつか、「へえ〜」っと、思ったことをメモしておきたい。

≪日本の法人実行税率は本当に高いか?≫
・国際比較は、表面税率だけではできない
国によって課税ベース(課税の対象となる利益の範囲)の違いがあるし、租税特別措置による減税なども異なるから、企業の税負担は単純な表面税率の比較ではわからない。企業の実質の税負担を解明しなければならない。

・表面税率で計算すると40.69%の実効税率が、大企業は様々な優遇税制による減税で、10%も下がっている。これが大企業の実質税負担。トヨタは32.1%、日産は28.7%、ホンダは23.3%。

・日本経団連の経済第二本部長の阿部泰久氏も「実は日本で本当に国際的に活躍している大企業の実際の税負担率は、実効税率=表面税率ほど高くはありません」と言っている。

≪消費税増税≫
・消費税を6%引き上げることで特別会計が賄われたとすれば、今まで充当されていた15兆円はどこへ行くのか。鳩山首相は、3月12日の参院予算委員会で、「法人税は減税の方向に導いていくのが筋」との考えを示した。消費税についても「社会保障を目的にしたものにする」とも表明。何のことはない、消費税を「社会保障目的税」にすることで、消費税6%引き上げを行い、浮いた財源15兆円を法人税減税に充てるのである。目的税化は使途の明確化のために等とは方便にすぎない。本当のねらいは、大企業への減税財源づくりにあると言える。欺瞞的手法である。

⇒実効税率は表面税率より10%低い30%台なのに、さらに大企業減税?!

・消費税と社会保障が一体のものとして、法律上も会計上も明確になると、社会保障の充実を求めると消費税増税となり、消費税増税に反対すれば社会保障は切り下げられる。庶民にとっては、消費税の増税か、社会保障の切り下げか、どちらも選べない悪魔の選択を迫られることになる。
 
 
 
 
posted by flyhigh28 at 19:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費税 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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