2009年09月12日

「問われる財界の役割」詩人・作家、辻井喬氏のことば

毎日JP「選択がもたらすもの:/8」で、詩人・作家、辻井喬氏を読んだ。さすが、耳の奥に残ることばがある。寺島実郎氏といい辻井喬氏といい、経済人の中にも元気のある人がいるのは頼もしい。
http://mainichi.jp/select/seiji/seikenkotai/motarasumono/news/20090911ddm002010062000c.html

 ◇問われる財界の役割

 今度の選挙の結果、時代が変わった、50年以上続いた自民の時代が終わったという認識だ。

 55年体制ができた当時、衆院で3分の2近い議席を持つ自民党と、憲法改正を拒否できる3分の1強を確保する社会党という政治構造には国際的な背景があった。それは東西冷戦と響き合っていた。

 ところが冷戦が終わり、55年体制を維持する根拠がなくなった。それでも自民党の認識は冷戦時代と変わらず、新たな思想、政策を持たないまま、権力だけを維持しようとした。弱体化がはっきりしてくると、公明党の力を借りて取り繕ってきたが、今回はいよいよ駄目になってしまった。4年前の小泉旋風の逆が起きたわけではない。

 この風が再び逆に吹くことはないだろう。しきりに「よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」の方丈記が浮かぶ。あるいは「盛者必衰の理(ことわり)をあらわす」という平家物語が想起されてしまう。壊れた自民党を立て直すのはかなり厳しいと思う。

 駄目になったのは政界ばかりではないという気がする。労働者派遣法の改悪で、企業はいつでも人件費を減らせるようになった。個々の企業は利益を上げるのに都合のいい方向に行くだろう。米リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)をきっかけに経済が壊れ、みんな急場しのぎの方へ流れたから社会の構造も不安定になった。

 利を追う個別企業に対して「それでは、マクロ(全体)からみたら駄目なんだ、歴史から見たら駄目なんだ」と言うのが財界の役割。でもそれを忘れてしまった。「民主党の時代が来るかもしれないが、財界はどうするんですか」とある財界幹部に尋ねたら、「ともかくCO2(二酸化炭素)25%削減はやめてもらわなければ」と言うばかりだった。

 財界は経済政策、産業振興策に注文をつけるが、それよりも社会の再建を言ってほしい。またこの機会に政治献金をやめ、自らの役割を見つめ直すべきだ。

 グローバリズムが広がる冷戦後の世界で、日本の信用、存在感をどう高めていくかについても、財界人に積極的に発言してもらいたい。かつては、米国の民主、共和両党に話ができる人がいた。でも最近は全体とすると、視野はかえって狭くなっているらしく、昨年の米大統領選の予備選が進んでいたころ米民主党とのパイプの有無に、経済界はあまり関心を持っていなかった。財界人の意識もグローバルにならないと、経済も社会も再建できない。

posted by flyhigh28 at 14:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 総選挙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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